富士フイルムとエバレディ(後のエナジャイザー、当時はラルストンピューリナ社の子会社)が提携したのが1989年ですが、その直後のデザインと思われるアルカリ乾電池です。
この年代のアルカリ乾電池は中々残っておらず、しかも海外製となると国内製よりも液漏れしやすいと思われるのでかなりのレア物ではないのでしょうか。この乾電池も液漏れしてしまっていますが何とかラベルに付かないで済んでいるという状態です。
FUJIFILM EVEREADY アルカリ乾電池 ALKALINE
やはり後期のようにFUJIFILMとEVEREADYとのダブルネームになっています。エバレディはちょっと前までソニーと合弁企業を持っていましたが、あれはユニオン・カーバイド社との提携であり、こちらはユニオン・カーバイドから売られた電池事業が子会社化されたのち富士フイルムと提携しているので全く同じ事情ではない模様です。ソニーエバレディのアルカリ乾電池は日本製が多かったですが、富士フイルムの場合は富士フイルムが乾電池工場を持っていないためかほとんどエナジャイザー側の製造(シンガポール製)でした。
デザインはいかにも1990年代チック?な感じでしょうか。FUJIFILMロゴもEVEREADYロゴも古いものとなっています。同時期の物と思われるFUJIFILM/EVEREADYのビニール袋もこのEVEREADYロゴとなっていました。1990年代後半にはすでにただのEVEREADYという表記になっていたのでいつまで使われていたのかは不明です。
こちら側は液が回ってしまっていてすごいことになっています。
富士写真フイルム株式会社 LR6(AM3)/1.5V
単3形 Made in Singapore 91-06
型番はLR6とAM3という単3形を表す表記が2つもある謎のものなのですが気にしないでおきます。側面には91-06の印字があるので1991年6月の製造と思われます。ということは水銀0使用化前の乾電池なのでしょう。
会社名義は富士写真フイルム株式会社となっており、エバレディ側の文字はありません。シンガポール製となっているのでエバレディの製造と思われます。
マイナス極は◎の形の独特なもので旧日立マクセル製のアルカリ乾電池に似ているような。液漏れの影響で表面の色が変わっています。ここまで液が凄いと普通ならば廃棄処分だと思いますが、やはりレア物なのでとりあえずとってあります。表面のラベルには液がほとんど染みていないというのは中々奇跡的です。
追記
記事を保存した後にオークションを眺めているとこのアルカリ電池の広告がプリントされたテレホンカードを見つけましたが、そのテレホンカードには「富士フイルムからエバレディ乾電池 新発売」という文があったのでこのデザインが初代ということには間違いなさそうです。ただ、同時期にEVEREADYブランドの水銀電池をソニー・エナジーテックが販売していたりするのでそのあたりがよく分かりません。提携終了後も喧嘩別れしていないのならば関係が続くというのは三菱電機照明社とオスラム社などから分かるのですが。
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